シュロはヤシ科の樹木で、日本、中国南部に分布します。日本では主に九州南部を原産としますが、寒さにも耐えるため、関東地方あたりまで見かけることができます。枝はなく、幹がまっすぐに伸びて、その頂点に円形で扇状に深く裂けた葉を四方に伸ばします。幹は繊維状の毛で覆われています。雄と雌の株があり雌株は5~6月頃にクリーム色をした粒状の花を咲かせて、その後に実を付けます。実は直径1cmくらいで秋に黒青色に熟します。ヤシ類特有の掌状に開いた葉がトロピカルな雰囲気を醸し出します。大きく成長すれば存在感のあるシンボルツリーとなり、庭木としても人気です。
幼木は日の当たらない場所の方がよく育ちます。日本原産のワジュロのほか、中国原産で、ひとまわり小さい葉が上に向かって伸びているトウジュロがあります。庭木としては葉が小さくてピンと育つトウジュロの方が人気のようですが、どちらも丈夫で一度根付けば真っ直ぐすくすく育ちます。 成長は遅いですが、特に栄養もいらず、育てやすい木です。葉っぱは上の方に付き、幹が成長していきます。 特に虫もつかないようですが、蜂が巣を作る場合もあるので気を付けましょう。シュロの木は成長も遅くあまり手がかからないものの、一旦大きく育ってしまえば、幹の先端にしか葉が生えていないため、高さを調節する事が出来ません。好みの高さに切ったとしても、そこから葉は生えず、枯れてしまいます。
シュロ
シュロの葉
シュロの花
管理方法・お手入れ
●日当たり
基本的に半日陰を好みます。直射日光に当たると葉が焼けて枯れてしまいます。また、強い風に当たると葉が裂けてしまうことがあります。
●水やり
地植えの場合は最初にたっぷりとあげて、その後はあまり気にしなくても良いですが、鉢植えの場合は表面が乾いたら水をあげましょう。受け皿に水をためないようにしましょう。
●剪定
枯れた葉はそのままにしておくと全体の見栄えが悪くなるので、それらを取り除く程度の剪定をしましょう。4月頃に新しい葉が出てくるのが確認できたら、枯れた葉や古くなって垂れ下がった葉を軸の元から取り除きます。葉は常に10枚程度付いていた方が生育がよいので、枯れた葉以外は取り除かないようにしましょう。
●肥料
肥料は年に1回、2月~3月頃に施します。幹から少し離れたところに樹をぐるりと囲むように円状の溝を掘って堆肥や鶏糞を施します。
●病害虫
ハダニ、カイガラムシ、アブラムシなど害虫被害に気をつけます。早めに防除してください。