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ガーデンセラピー

2021.10.01

いにしえの人の美意識を感じる古いお寺のガーデンセラピー  ~京都山科 勧修寺~

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京都のいわゆる 田の字地区 の中にはもう数えきれへんくらいの有名なお寺があって、いつも旅行者の人らでいっぱい。

 

観光ガイドにのってるお寺の前の道が毎日の買い物のコース。

 

なんていうことも町中に住んでると割と普通のことで、それは考えるにホンマに贅沢なことやなぁと思う。

 

そやけど、そんな街の中から少し足を延ばして観光コースからも少し外れたところにも素晴らしいお寺があるというのも京都の魅力です。

 

京都山科 勧修寺。

“勧修寺”は地名でもあってその場合には

 

 “かんしゅうじ”

 

て読む、ここは昔から京都の小学生には“お芋ほり”でなじみの深いところなんやけど、その“かんしゅうじ”にあるこのお寺は同じ 勧修寺と書くんやけど

 

“かじゅうじ”

 

と読むんです。

 

実はこのお寺、私もこの歳になって初めて参らせてもろたんやけど、なんともなんとも美しい、またいにしえの人の “あそびごころ” の詰まった素敵なお寺で、お話くださるご住職もほんわかとされていてとてもとても気に入ってしもたのでした。

 

 

こちらのお庭は京都市の指定名勝に登録されていて、その広さもなんと20000平方メートル。

 

平安時代から続く広い広いお庭の向こうには東山と醍醐の山。

 

どこまでがこのお寺のお庭でどこからが山のすそ野なのか、よくわからんくらい自然に山に連なっていくその庭の広がり。

 

あまり手を加えてなさそうに見えてながら実はとても手をかけ自然に見せる技というのはきっとお庭師さんの壮大かつ細やかなお仕事のあってのことなんやろうと思う。

 

お庭の真ん中には 氷室池(ひむろいけ)が広がってて、その昔、お正月の2日にはこの池に張った氷を宮中に献上して、その厚さでその年のお米の出来を占ってはったらしい。

この池をぐるっと回って目に映る景色の移り変わりを楽しむのもこのお庭の楽しみ方。

 

この日はちょっと季節外れの蓮の花がまた少し咲いていて。夏の名残をとどめてた。

そして、その庭を余すことなく眺められる “書院” があるんやけど、私の行った日はとても幸運なことに特別にその書院の中を公開してはる日やった。

 

 

重文に指定されてる近江八景の図やら紅葉の名所の龍田川の襖絵に囲まれた書院の真ん中に座り、ご住職のお話を聞く。

耳に優しいご住職のお話と、初秋の木々の葉の間をさわさわ縫ってくる風の音。

 

“あ。季節の声。”

 

と隣に座ってはったおばあさんが思わず口に出さはった。

 

 

“このお部屋もお庭もどこでもお写真とってもろてよろしゅうございますよ。”

 

とご住職。ふつうはどう考えてもこんな歴史的なもンは写真なんか撮らせてもらえへんのに・・・・

 

そして

 

“お庭もね、どうぞご自由にお散歩なさってくださいませね。芝生の上も歩いてやわらかさを感じてもろたらよろしゅうございます”

 

と。

 

なんと寛大なことやろうか・・・・

 

まさに仏様の精神とはこういうものかと思うからか、書院の中もお庭も訪れる人はとても丁寧に見学をしたはる。悪さする人がいはらへんのやそうや。

 

お庭の鴨も、鯉も仲よぉにのんびりしてはる。

お言葉に甘えて写真もたくさん撮らせてもろた。

 

龍田川の襖絵の紅葉の赤はザクロで描かれているらしく。色が深くて優しげやった。

そしてそのまま目を庭に

 

“すぅーー”

 

と流していくとその先にあるのんが本当の紅葉の木。

“秋も深こぉなって木々が色づいたころ、このお部屋とお庭がつながってるようにお見せする遊び心があるのでございますよ。”

 

とまたまた優しく語ってくださるご住職。

 

縁側に座って、静かにお庭を眺めてみる。

 

書院のすぐ下の前庭には“ハイビャクシン”という低木が地面を這うように枝を伸ばしていて波が静かに寄せてくるように見える。なんと樹齢が750年とのこと。750年分のさざ波という風やね。

 

“よかったら切って持って帰ってくださいましね。どんどん増えて道をふさいでしまいますさかいに・・・”

とご住職。

 

そしてその“さざ波”の中には水戸黄門さんが寄進しはったという珍しい形の灯篭が配されてる。

 

 

黄門さんはこの灯篭がいたくお気に入りだったらしく、京都に来られた時には必ずこの灯篭を眺めに来はったらしい。

 

”黄門さんは、京都に来られたら必ずこの灯篭を見に 「通ろう」。と勧修寺を訪れてくれはったんです・・・“

とご住職の弁。 

 

絶対に冗談なんて言わはりそうにないご住職の口から飛び出したまさかの黄門さまのおやじギャグ逸話。

 

おかしくて心の中でクスクスわらっていたら、また違う方向を指さして、

 

“これが8代将軍吉宗さんが寄進してくれはった手水鉢でございますよ。”

 

 

とまたすごい方のお名前。

 

・・・ちょっと期待したけれど、だけど、吉宗さんはギャグは言わはらへんかったらしい。。。。笑

 

 

 

早春には梅

 

春には桜、

 

初夏にはアジサイ、花しょうぶ、睡蓮、

 

夏には蓮、

 

秋には紅葉、

 

 

6月の見事なアジサイも見てみたいし、春の桜咲き乱れるお庭をまたこの書院に座って眺めてみたい。

 

と思っていたら1本だけ季節外れの桜が咲いていた。これは自然の遊び心かな。

 

 

季節の花を愛でにそして優しいご住職のお話を聞きに、今年はすべての季節に1回ずつここをおとずれてみたいと思た。

 

最後に。お寺の門に飾ってあった ええ言葉。気持ちのええお庭とご住職のお話に癒された後に見たこの言葉はすんなりと私の心に入ってきたんやった。

 

 

そんな日々でありたいなぁ。

 

 

 

 

ところでこの勧修寺というところは、京都の中で有名なぶどうの産地でもあります。

 

摘みたてのぶどうを売ってはる直売所があって、そろそろ季節も終わりかけのピオーネを買いました。

 

種もなく、皮もそのままいただける勧修寺のピオーネ。サラダにしていただいてみました。

 

甘酸っぱいピオーネとフェタという塩気のしっかりしたギリシャのチーズとの取り合わせが抜群でした。

 

 

 

 

渡邊敦子さんプロフィール

 

 

 

京都祇園生まれ。

幼いころから大のおばあちゃんっ子で、

結婚後は10年間フランス、パリに住み、海外での出産、子育てを経験しました。

季節を思い、人を思い作る、体と心を作る食事。

2010年に帰国してすぐに京都にてお料理教室Cantine Rosette(カンティーヌロゼット)を開講。大好きな京都、パリ。それをめぐる季節の食。そんなコラムをお届けしていきます。

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