和モダン

和モダン

 

現代の日本の生活様式は、純和様式とは大きく異なっています。
西洋文化が取り入れられ、体も大きくなり、床から遠ざかったスタイルが主流と言えるでしょう。

しかし、近年多くの外国人が魅了され、取り入れられ始めている「和」の美しさ。これは日本人にとって捨てることはできませんし、したくないものです。
なぜなら、日本人の生活に古来から受け継がれ、風土や暮らしに合ったスタイルとして受け継がれているセンスだからです。

 

そこで、近年多く選ばれるデザインスタイルに「和モダン」があります。要は日本の伝統的な素材やデザイン“和”と“現代”の融合デザインの事ですが、これは京都では特に必要とされるデザインスタイルと言えます。

京都をはじめ歴史的町並みや多くの自然がある地域は、自治体や国によって風致地区に指定されていることも多く、伝統的な景観を守るためにその調和を崩すデザインを使用することができないよう、条例等で詳細に規定されています。

そこで、規定に沿って現代に合った暮らしがしやすいよう、和モダンは重宝されているのです。

 

それで、和モダンとは?

具体的になにがどうなっていれば和モダンなの?と言うところを、特にエクステリアの面について解説します。

 

古来からの日本建築のエクステリアでは、瓦や白壁(漆喰壁)、木材、石材などが使われてきました。
和モダンとは、そうした「和」の素材・景観を積極的に取り入れながら、西洋のモダンスタイルを融合させたデザインの事を指し、またその言葉は日本における“造語”です。

建物全体がシンプルなグレーや黒で統一された平面的デザインでも、そこに目隠しの木製(風)縦格子や石や砂利が入るだけでグっと和の要素を感じる外観になると思います。そして、その「和を感じる・和が見える」ことこそが、風致地区などの歴史的景観の維持をし続けるために必要な事なのです。

和モダン作品
当社施工作品:モダンなサイディング外壁や石調タイルの門柱に対し、木調フェンスや縦格子、伝統的な洗い出しアプローチや植栽の株元の和石で「和」の落ち着きを取り入れている。

 

和モダン作品
当社施工作品:住居部分を解体・新築したお宅の外構。蔵とその石垣を残し、木調フェンスからはお庭の立派な松が覗く。アプローチも大磯の洗い出しで伝統を継承。

 

また、「和」の条件として“季節の移ろいを感じられる”こともとても重要な要素です。これがあるか無いかでは「和レベル」が格段に変わります。
明治や大正時代に建築された西洋モダン建築は庭が大切にされている物が非常に多く、和の要素がしっかり残った空間にモダン建築を建てている場合が多くあります。
現在に至っては「モダン」から遠く離れてしまいましたが当時の感覚ではまさに「和モダン」だったのではないでしょうか。

住友活機園

住友活機園

画像出典:住友グループ広報委員会Webサイト
石山寺のある伽藍山、瀬田の唐橋、琵琶湖を臨む、景観と一体となった丘の居邸。アールヌーヴォー調の意匠と和のテイストを効果的に組み合わせた洋館と併設の和館、そして四季折々に壮麗なパノラマを描き出す庭園。平成14年(2002年)に重要文化財に指定されています。

 

日本人には欠かせない和モダン

近年では、住宅を新築する際に和室を取り入れない方が多くなっています。
畳は完全に日本固有の床材であることをご存知でしょうか?夏は涼しく冬は暖かく、足裏にも優しく空気を浄化し、香りはリラックス空間を生みます。

現代では床に座ることが減ったため、和室の扱いに困ると思われるのかもしれません。
しかし和室で使用できる、畳を痛めにくいテーブルやイスなども今はありますし、日本にしかない文化空間を生み出せるのは和室だけです。

外構の木目や石使い・化粧窓などは単純に美しいだけでなく、空間に奥行きを生みます。
自然の美しさと暮らしが融合している美しさが「和」の特徴であると思うのです。

文化・伝統を守り続けるには、使う人がいてそれを生産する人が必要です。需要がなくなってしまったら生産する人はいなくなり、その文化は失われてしまいます。
現代の生活スタイルに合う形で和を取り入れて、文化を失わないよう大切にしていくためにも、ぜひ積極的に和モダンを取り入れていきませんか?

和モダン玄関 苔玉

 

 

ひらめき

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