ソテツ(蘇鉄)
学名:Cycas revoluta
和名:ソテツ(蘇鉄)
科名 / 属名:ソテツ科 / ソテツ属
ソテツは、イチョウと同様に原始的な形態の裸子植物です。九州や南西諸島の海沿いの岩場や斜面に自生し、日本原産のソテツが世界でも最もよく知られ栽培されています。
ジュラ紀から今とほぼ変わらない姿で存在しており、化石からもソテツが見つかっているそうです。
高さ10mに達する大ソテツが国内で複数知られ、樹齢もかなり長く500~1000年以上のソテツが存在しています。
そんな大きいイメージのソテツですが、成長は大変ゆっくりなため鉢植えで観葉植物としても生育できます。
日光と風通しを好むため常に室内管理で育てるのはお勧めできませんが、普段は屋外管理をして鑑賞する時に室内に移動すると良いでしょう。
冬に屋外に出しても枯れはしませんが、霜や冷風が当たらない場所で管理してあげましょう。
雪が降り積もるような地域の場合は、幹に藁を巻くなどして防寒対策が必要です。目安は5℃で、鉢管理の場合は室内へ入れてあげるのが無難です。
しばしばヤシや木性シダと間違われることがありますが、全くの他人のそら似です。
鉢植えのソテツ
ソテツは幹から直接葉を伸ばし分枝しないため、剪定管理がほぼ必要ありません。(稀に分枝することもあるようです)
水平より垂れ下がった葉があれば落とす程度で良いでしょう。
また乾燥にかなり強いため、地植えの場合は水やりは不要で、鉢管理の場合でも土が完全に乾いてから軽く湿らせる程度で良いです。
逆に水のやりすぎは根腐れの原因になりますので注意してください。
地植えする際は植える場所の土を2週間ほど前に耕し腐葉土などを混ぜ、寝かせておきます。
他には、地植えも鉢管理も水はけ以外に気にすることはありません。強いて言うならば、自生地の土壌は石灰岩地が多いため石灰質な土壌に寄せると良いでしょう。
常に湿っぽい土では生長が弱り根腐れしてしまうことがあります。ここまででもう、葉水も必要がないことがわかりますね。
ソテツ群と大阪城
ソテツは雌雄異株で、夏ごろに幹の先端で花が咲きます。ただし大きく成長するまでは花は開花せず、雄木と雌木の両方がないと受粉しないため、開花周期は10年に1度と言われます。
開花すると雌花に実(種子)ができます。
梅やプラムのような見た目ですが、ソテツの実は毒があるため食べられません。
ごく一部食す地域もあるようですが、毒抜きをして正しい対処の下でないと嘔吐やめまい・呼吸困難などを起こす可能性があります。
ソテツの雌花 |
ソテツの雄花 |
実(種子)が付いた雌花
増やし方は、実生と不定芽の株分けがあります。
不定芽というのは幹から生えてくる子株で、本体と同じように葉も出てきます。これを株分けして挿し木で増やすことができます。
実生はまず発芽まで2~3か月かかり成長も遅く、ある程度のサイズになるまで大変時間がかかるため、鑑賞を楽しむのであれば株分けがお勧めです。