アガベ(リュウゼツラン)
学名:Agave
和名:リュウゼツラン(竜舌蘭)
科名 / 属名:キジカクシ科 / リュウゼツラン属
アガベ 白鯨
アガベはアメリカ南西部からメキシコを中心に、中南米の熱帯地域、カリブ諸島などに分布し、乾燥した場所に自生しています。
原種は300種以上が知られており、そのうち数種類はアガベシロップやテキーラの原料として古くから栽培されてきました。
日本には江戸時代後期から導入され、昭和になるころには園芸種として愛好家の間でかなりの種類が栽培されていたそうです。
戦後のサボテンブームで海外から珍しい品種が一通り入ってきました。その後優れた株の選抜により日本人の感性に合った繊細な表情や気品、かわいらしさなどをもつ品種が生まれ、それが逆に海外でも知られるようになりました。
アガベ 笹の雪
アガベは乾燥地帯の分布のため、生育環境としては日本の高温多湿は育成の課題となります。
温度帯としてはアガベの生育には適正ですので、日本に持ってくると枯れる!とはなりませんが、株の形など美しいと納得がいく育成を行うには簡単な環境ではありません。
これが、アガベに魅了されるファンが多い理由だと思いますが、つまり「株の姿形に栽培の仕方がダイレクトに影響する」のですね。
室内で鉢栽培を手軽に楽しむことができるため、沢山の種類を揃えて育成を楽しみやすいのも後押ししているのでしょう。
アガベ ホリダ
アガベは高温乾燥地帯の植物なので寒さは全くダメだと思われがちですが、標高千メートル級の場所に自生する種類もあり実は-20~30℃くらいまで耐えるものがあります。関東以西ならば耐寒性が高い種類を選定して地植えも可能です。
乾燥地帯は昼夜の寒暖差が激しい場所が多いため寒さに強い種類が多数あり、むしろ日本の夏の方が蒸し暑く生育が止まります。そのため、日本ではアガベの生育期は「春秋型(春と秋に生育する)」だと認識するのが良いでしょう。
近年大変人気が高い「ドライガーデン」「ロックガーデン」ではユッカやサボテンと一緒に非常によく使われます。
アガベ、オニヤブソテツ、セダム類などを使ったロックガーデン風花壇
用土は水はけのよさが非常に大切です。多肉植物ですので体内に水を貯えますから、有機質で水持はけが悪い土壌の場合は改良してから植え込みましょう。
また鉢植えの場合は移動ができるので良いのですが、地植えの場合は必ず日当りが良い場所に植え込みましょう。乾きがちの用土で光がしっかり当たることで、引き締まった株に成長します。
非常に少ないですが、一部半日陰でも育つ種類もあります。
基本的には、日当りが悪いとだらんとした締まりのない株になったり、徒長してひょろひょろの株になりやすくなります。
また用土の水はけが悪いと、梅雨や長雨、ゲリラ豪雨などで根腐れしてしまうかもしれません。
アガベ フィリフェラ/フィラメントと言う繊維質の白い毛を出す
アガベは種類によっては2mを余裕で超えるものもあります。対して、10~20cm程度にしか育たない小型品種もあり、その様々な株姿も魅力の一つです。
ちなみに皆さんよくご存知のお酒の「テキーラ」は、アガベ・テキラーナというアガベが原料です。
日本の日本酒や各地のワインなど全てのお酒に言えますが、その土地土地の土着植物の恵みは、本当に素晴らしいですね。
アガベ テキラーナの農場
因みに、アガベは数十年に1回花を咲かせますが、花を咲かせるのと引き換えに株は枯れてしまいます。
花を咲かせるその前には子株を吹きますが、まさに人生・もとい植生最後の大仕事と言うわけですね。
アガベと花茎。隣の株も後から花茎でました |
花茎を出すアガベ |
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上記の画像の通り、当社のアガベも今年咲こうとしましたが、、、枯れられては困るので切り落としました。
まだ植えて1年なのですがね、なぜこんなにも早く咲こうとしたのか・・・本当に植物は不思議で魅力的ですね。
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