エクステリアが外と家をつなぐ「玄関ポーチ/アプローチ」
このブログを書いている本日は雨。玄関ポーチがあれば玄関を出ても屋根があり、いったん外に出るまでに様々準備ができて便利ですよね。
そんな「玄関ポーチ」について、掘り下げてみましょう。
玄関ポーチとは?
古来日本家屋に玄関ポーチはありませんでした。仏教を通じて鎌倉時代に「玄関」と言う言葉・概念が伝来し、有力武将が書院造を造り始め屋敷に玄関を造るようになり、次第に裕福な商家・医者・神社の神官などの高貴な身分の人間にも玄関を造ることが認められましたが、それ以外の人々は明治に入るまで玄関を作ることが禁じられていました。長屋を思い出してみると、引き戸を開けるとすぐ土間(台所)ですよね。時代劇などを思い出すと、雨の日に微妙な庇では雨よけができず、土間へ入りながら傘を閉じるシーンが思い浮かびます。
京都の町家/玄関ポーチのない伝統的なスタイル
玄関がある屋敷には長めにせり出した庇があり「ポーチのようなもの」は存在していました。
しかしポーチは“Porch”、西洋建築で玄関・出入口の外側に張り出した屋根や庇つきの吹き抜き部分、車寄せのことを指します。明治に入って西洋建築を建てるようになり、玄関ポーチが日本でも本格的に普及していきました。
旧武家屋敷の「玄関ポーチのようなもの」 日本建築の伝統を踏襲した和風玄関ポーチ
玄関ポーチの活躍
玄関ポーチは、何気ない日常動作を大変サポートしてくれます。例えば、
・お子さんをベビーカーに乗せるとき、玄関の鍵をかけてから丁寧に準備ができる
・雨が降っていても、大荷物などを一旦置いてから動作を起こすことができる
玄関ポーチの活躍はまさに「エクステリアの機能隊長」と言えますね。
また、庇によって雨や日差しから守られることで、建材の汚れ・劣化を抑え、美しい玄関を保ちやすくもしてくれます。
玄関ポーチの範囲は庇の境界ですので、庇部分が長く玄関ポーチが広ければちょっとした安らぎ空間を作ることも可能です。テーブル・イスを置いたり、プランターや鉢植えで華を添えたり。
カーポートと近ければ、車から濡れずに家の中へ入ることもできますね。
庇や玄関扉だけでなく、足元のデザインでエクステリアのイメージをワンランクアップすることにも繋がります。ぜひ舗装素材・カラーにもこだわって、玄関ポーチをつくりあげてくださいね。
カーポートから玄関ポーチへ濡れずに行けるエクステリア
敷地の入り口から玄関ポーチまでの通路を「アプローチ」と言います。「(玄関)ポーチ」と混同されやすいですが、玄関ポーチは庇の下の空間のことで、アプローチは建築面積に含まれないので違う扱いであることを覚えておくと便利です。
例えば、建物には建蔽率(けんぺいりつ)という、敷地面積に対して建物を建てて良い広さの制限があります。この建蔽率内で建物を建築しなければなりませんので、間取りによって玄関ポーチをほとんど取れなかったといった事も起こりえます。
アプローチは玄関までに必ずある存在ですから、エクステリアの一部としてデザインを様々に楽しむことができる良きパートナーでもあります。ぜひ拘ってアプローチ造りも楽しんでください。
その際は、玄関ポーチの舗装材などと併せてデザインすれば、一体感がある素晴らしいエクステリア空間となるでしょう。
家と外をつなぐ「玄関ポーチ」「アプローチ」
最後にそんな重要ポイントにおすすめの玄関ポーチ・アプローチアイテムをご紹介します。
◇手すり◇
そんな地味な?と思われましたか?
手すりは歩行の補助という機能性以外にも防犯やデザイン的効果があります。
美しいてすりが効果的に設置された玄関周りは、こだわりが見えとても素敵ですよ。
LIXIL/アーキレール 三協アルミ/ジーエムライン オンリーワンクラブ/施工例
◇目隠し◇
ポーチは人の出入りが多く、外からの視線が気になる方も多いと思います。
設計上、どうしても外から見えてしまうなどの場合は、目隠しを設置してみましょう。
ただの目隠しではなく、エクステリアを輝かせるアイテムとなることまちがいなし。
東洋工業/天然石の目隠し塀 施工例 LIXIL/+Gシリーズ Gウォール格子タイプ
◇照明◇
屋根を下に照らす「ダウンライト」や、玄関まで安全に歩くためだけでなくおもてなし感が演出できる「ポーチライト」「フットライト」、植栽をライトアップする「スポットライト」など、夜のエクステリアには欠かせないアイテムです。
人感センサ付きにすれば防犯性もアップします。
タカショー/レディアス オーデリック/エクステリア照明施工例