庭木と排水の関係 ―健康な植栽による美しい庭のために―
この度、弊社(株)庭雅/ガーデンエレガンスでは、5月2日に京都二条で人気の観葉植物専門店Cotohaの宇治店、「Cotoha uji」をオープンしました。
お家空間の外だけでなく内からも満たしていただきたいと言うコンセプトで、お客様への「お庭時間」の提供をますます強化していくよう、沖縄産の1点物を中心に個性あふれる観葉植物を販売しています。
植物と言うのは不思議なもので、生態はほとんど人間と同じなのに姿かたちがまるで違う。光合成はしますが、日が当たらないときは植物も呼吸しますし、光・水・風が必要で、少なすぎたり多すぎたりすると調子を崩す。病気や害虫にもやられますし、下手をすれば命尽きることも。
そんな、人間を癒し穏やかにしてくれる植物。庭木が枯れてしまったら悲しいしかわいそうになりますよね。
庭木が枯れる原因のひとつ「水」の問題は、自分で解決するのがなかなか困難な問題です。今日はそれをテーマにしてみましょう。
◇庭の排水 |
植栽はお庭空間にとても大切な要素です。植物があるとないとでは、お庭空間で過ごす時の感覚が全く異なる物になります。
そんな重要な存在の植栽ですが、地植えで枯れてしまう場合の要因のひとつに「水」があります。「毎日散水してる」とかそういう問題ではない恐ろしい状態です。
水はけの悪い庭、これは植物をことごとく死滅させる可能性があります。それも、日当たりや害虫・病気などの比ではない速度で植物をダメにしてしまうのです。
出展:雅楽庭WEBサイト
これは排水が悪く掘ると水が溜まっているほどの悪い例です。
表面上わからなくても地中に水分を多量に含む土壌の場合、植物の根が排水されず溜まった水に常につかっている状態になります。そうすると植物は土から栄養や酸素を吸収できず窒息し、根腐れしてしまうのです。
このような土壌下では、植物はいくら新しく植えてもバタバタと倒れていくことでしょう。水が悪いのではなく「循環しない溜まった水」に常に根がさらされる状態が悪いと言えます。
その証拠に、水耕栽培やハイドロカルチャーなど常にに触れている状態ではありつつ、状態がきちんと管理された方法での植物育成方法がありますよね。
では次に、「じゃあどうやって排水したらいいの?」についての話へ進みましょう。
庭の排水
お庭の排水、水はけが悪い原因には大きく2つあります。
一つは「土壌」の問題、庭土を構成する成分です。
粘土質や赤土質の土は、粒子が細かく保水性が高いため水はけが悪くなります。また、長年手入れがなされていない土は、土自体が劣化し固まって水はけを悪くします。
植栽が密集し根詰まりしている場合も原因の一つになります。特に花壇など仕切られたペースは要注意です。
そして、元々低地の湿地帯だった場所なども水はけが悪い土壌です。京都府の大半は盆地の底のため、水はけが悪く掘ると水が出てくる場所が多いのは事実です。
原因の二つ目は「地盤」の問題です。地盤とは建物・構造物の基礎を支える地面のことです。
この地盤を新築時の造成・整地の際にガチガチに締固め過ぎていて、水はけが悪くなってしまう事があります。
また元々地盤が弱かったり地下水が湧いたり通り道になっていたり、岩盤が地下浅くにあるなどの地盤は悪い水はけの原因となります。
「土壌」が原因になっている場合、土を改良することで改善できる可能性が高いと言えます。
土に水が通る隙間がないのが水はけを悪くする原因ですので、水はけを良くするには土に水の通り道を作ってやれば良いのです。
まずは固い土を耕し、ほぐします。そして耕した土よりも粒子が荒い砂利や腐葉土を混ぜてあげると効果的です。
もうひとつ、水はけのよい土を盛り土する方法もあります。しかしこれは30cmくらいは盛らないと意味をなさないため、既に植えている植栽を植え直したり、建物との高さの兼ね合いにも影響するのがネックです。
従って、新しく入れる土の分、既存の土を掘って入れ替えるのがベストです。
どちらも広い庭の場合大変な作業になりますが、そこはぜひ我々造園業者にお任せください。
次に「地盤」が原因の場合です。これは自分で行うのは難しいので、専門業者に工事依頼をしましょう。
1つは「暗渠(あんきょ)排水」工事をすることです。
地面に溝を掘りそこに排水パイプを通し、パイプの先に深い穴を掘りそこに排水する設備です。排水先の上部には蓋などを設置しますので、お庭で落とし穴・・・などにはなりません。
もう1つは、「雨水浸透桝」を設置することです。
“雨水桝”を設置しているご家庭は多いと思いますが、「雨水浸透桝」はそれとは別物です。
“雨水桝”は雨水を溜めて雨水間や外構などに排出するための桝ですが、「雨水浸透桝」は名の通り、雨水を地中に浸透させるための桝です。
雨樋や水が溜まりやすい場所の雨水を桝へ流し、桝から地中へ浸透させて排水します。
雨水桝は外構に流すため大雨などの際に側溝があふれる原因になることがありますが、浸透桝は深い土中に浸透させますので街づくりにも役に立ち、自治体で設置を推奨しているところもあります。
暗渠排水と雨水浸透桝を両方設置するのが一番効果的ですが、どちらかにするか両方するかは、お庭の状態に合わせて選ぶのが良いでしょう。
簡易的な物はDIYでできない事もないようですが、効果の程は。。。
庭木が枯れたりあちこち水たまりになったりするほど水はけが悪いお庭の場合は、業者に依頼し高低差なども併せて任せた方が無難です。
庭木や観葉を問わず、植物は根・葉・気根から水を吸収し育ち、健康を維持します。
人間と同じで、おいしい水を飲みたいですし、もういらないのに無理やり飲まされると嫌、のどが渇いたら飲む、それだけなのです。
京都は風致地区などで植栽が義務付けられていることもあり、庭木を植える家がほとんどだと思います。健康で見ていると元気をもらえるような庭木でいてもらえるよう、水はけ・排水、土にぜひ目を向けてお庭づくりを行ってください!
ガーデンエレガンスでは、お庭はもちろん、エクステリア(外構)全般のご相談をお待ちしています♪
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