アプローチを「洗い出し」で美しく快適に♪
洗い出しとは、セメントやモルタルなどと種石(玉砂利や化粧砂利)を混ぜて下地の上に塗布し、完全に固まる前に表面を水で洗い流し、種石を理出させる舗装技法です。
石が表面に浮き出るので、面に凹凸ができるのが特徴です。
洗い出しのメリット 洗い出しのデメリット 洗い出しの施工例 |
洗い出しのメリット
◇雨の日の美しさ
洗い出しはその美しい意匠から人を迎えるアプローチや玄関、強固な特徴から駐車場などに施され、床面に合わせて壁に施すこともあります。
通常でもその繊細なテクスチャが美しいのですが、雨の日に濡れた石は艶を放ち、何とも言えない生き生きとした雨の空間を演出してくれます。
さらに凹凸があるため雨でも滑りにくく、靴底の水切れも良いため裾濡れや水はねが気になりにくい特徴もあります。
◇丈夫で強靭な床面に
表面が種石とセメントやモルタルのため日光や風雨に強く、下地にワイヤーメッシュを入れるなどして強度を上げた駐車場に施すこともできます。
ワイヤーメッシュ
◇石の種類で色や雰囲気を変えることができる
洗い出しは化粧砂利や化粧砂利に使い石を変えることで、表面に露出させる色を変えることができます。そのため同じ洗い出しでも、場所ごとに色を変えることで違った雰囲気をつくることが可能です。
またセメントやモルタルに色粉を混ぜて着色することもできます。
黒のモルタルなどはグっと引き締まり重厚感が出るため、エクステリアに高級感を演出できます。クールモダンの建物などにとても良く合う洗い出しになるでしょう。
◇汚れが目立ちにくい
洗い出しは種石が露出しているため、チリや微細なゴミなど汚れが目立ちにくいと言う特徴があります。
種石に複数の色合いがあるものを使えば、更に目立ちにくくなります。
◇凹凸で滑りにくい
始めにもある通り、洗い出しの最大のメリットの一つは凹凸による滑りにくさでしょう。小さな子供から高齢者まで、安心して歩けるアプローチに仕上げるのに最適と言えます。
ただし、凹凸があるため種石の大きさによってピンヒールなどは逆に歩きにくい可能性があります。
洗い出しのデメリット
◇費用がかかる
通常のコンクリート舗装に対して考えるとわかりやすいですが、材料が多い事と工程が多く手間がかかる事で、費用は当然余計にかかってきます。
しかし材料の面は、洗い出しを施すスペースを工夫する事で抑えることも可能です。
アプローチ全面施工ではなくデザインを工夫したり、滑りやすいアプローチ階段の踏面のみにするなど、施工面積を工夫してみてください。
手間賃の面は、事項で書きますが洗い出しは職人技ですので、技術料として気持ちよく受け入れてもらえると嬉しいです♪
◇簡単にはできない
洗い出しは職人技です。コンクリートにただ砂利をばらまいたように見えるかもしれませんが、実際は綿密さと絶妙なタイミングで作業する成熟した経験が必要な、繊細な仕事なのです。
経験を積み手慣れた職人でないとうまく仕上がらない工法ですので、職人によって仕上がりが異なります。
職人の手感覚に左右される仕事ですので、どこの誰でも一定の品質とはいかない点が注文者にはリスクと言えます。
◇経年で砂利の剥離が起こることも
施工から長い年月が経つと、セメントやモルタルなどが風雨で劣化したり種石が割れたりすることがあります。その結果種石が剥離しポコっと穴が開いたようになったり一部欠けたり、見た目が悪くなってしまいます。
凹凸がある分、石が出っ張っている部分にひっかりやすいことも挙げられます。
これをできるだけ回避するには、洗い出し具合を抑えたり種石に大きめのものを使うなど、施工時に工夫をしましょう。
洗い出しの施工例
美しい洗い出しの施工例を見てみましょう。
弊社施工の事例以外にも洗い出しの魅力をお伝えできる事例も併せてご紹介します。
<曲線のスリットが個性的なガレージ>
ガレージ手前のアプローチ部分が洗い出しの仕上げです。
洗い出しの美しさと、ガレージの曲線スリットが美しくマッチした事例だと思います。
レンガ調のコンクリートブロックも軽く南欧風のアクセントになり、曲線スリットとの対比が素敵ですね。
<細目のボーダータイルが特徴的なオープンエクステリア>
施工面積を抑えつつ洗い出しの存在感がしっかり生かされたアプローチです。
石材タイルの組み合わせとよく馴染み、ステップの滑りにくさも確保しています。
<リノベーションでプラス1台分のガレージを>
目に留まりやすい前面は美しい洗い出しで仕上げ、奥はモルタル仕上げで施工面積を抑えました。
画像右側もガレージスペースとして使えますが、洗い出しで美しく仕上がっており車が無くても見映えがします。
<麻布台ヒルズ>
エクステリアとして床面舗装や壁以外に洗い出しの美しさを生かしている事例、2023年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」をご紹介します。
麻布台ヒルズ 出典:ファッションプレス
設計を請け負ったイギリスの“ヘザウィックスタジオ”代表のへザウィック氏は
「これまで長い間インテリアに多くの関心が寄せられ続けてきましたが、外の世界はもっと面白く、人々を惹きつけるものであるべきだと思います。」
「私自身が住みたい、行ってみたいと思う街は、豊かな人もそうでない人も平等に受け入れる街です。だから、“ストリート・ファースト”で考えました。」
と語っています。
その言葉の通り、洗い出しで仕上げられたネットフレーム(ぐにゃりとした格子状のフレーム)は見事としか言いようのない美しさです。その形状でビルの個性を生みながら、構成する自然素材が歩く人に「新しいのに懐かしい」そんな不思議な安心感を与えているだろうと感じます。
すでに東京の新しいシンボルエクステリアと言えるでしょう。
ネットフレームの施工現場。このフレームが全て洗い出しで仕上げられているとは。。。 |
ネットフレームの拡大画像。本当に洗い出しだ。。。(絶句) |
引用・出典:HILLS LIFE Daily
<カフェ&ホテル MALDA京都>
一昔前の和風住宅では玄関や土間が洗い出しだったりしましたが、屋内の洗い出しは近年再注目され始めているような気がします。
昭和のリバイバル?でしょうか。
こちらのホテルは客室の床が洗い出しで仕上げられています。居室が洗い出しと言うのは珍しい活用方法ですね、ホテルならではと言えます。
とてもとても、本当に、素敵です。
1階はカフェで、こちらも床は洗い出しです★
2階以上がホテルになっており、1フロアがまるっと1つの個室で、1日3組限定。
1階のCafé。色彩のマッチングも最高に素敵です。
★この記事を読んで
「これ悩んでた!」「ずっとどうにかしたかった」とピン!と来た方★
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