日本人には馴染みやすい?イングリッシュガーデンのポイント

イギリス_キューガーデン

イングリッシュガーデンとは、その名の通りイギリスで1819世紀に確立された庭園様式です。広大な敷地で池や川などを利用した風景式庭園が貴族階級で楽しまれるようになったことに始まり、19世紀になると農家などの戸建で楽しまれるようになり始め「コテージガーデン」が派生しました。現代日本で戸建で楽しむ“イングリッシュガーデン”は、後者のコテージガーデンの様式です。

 自然風景式庭園は、池や川などの風景から造園していき、自然な植栽の中に遊歩道を造ります。山野や農村地帯の景観をそのまま庭園としたと見なすことができ、日本庭園と通じるものを感じますね。(もっとも、日本庭園には仏教思想も含まれているため発展は違う道を辿っていますが。)

マニントン・ホール 
イングランド/マニントン・ホール
引用:ELLE WEBサイト

 

コテージガーデン

コテージガーデン
引用:Pinterest

現代日本で“イングリッシュガーデン”と言うと「コテージガーデン」を指すとお伝えしましたが、19世紀初め頃のイギリスは植民地からの農産物輸入で農村経済が破綻。貴族は風景式庭園の維持が困難になり、農業から牧畜への転換で農民は農地を追われ農村は衰退していきました。

その後、都市で働く中流階級の人々が余暇を郊外で過ごすようになり、農村地帯の田園風景が評価され始め古民家保存運動が始まったことで「コテージガーデン(古民家の伝統的な庭)」が再評価されるようになったのです。

 

そんな中、ジーキルと言う元画家の園芸家などが、周囲の自然風景と調和する田園風景のような庭を造り始めました。

林や垣根に沿って奥に背の高い植栽、手前に背の低い植栽を配置する「ボーダー(鏡栽花壇Border)」を確立。彼女が画家時代に培った色彩設計で、現代日本でイメージされる「ボーダーガーデン」が出来上がったのです。規模は雲泥の差ですが、背景と共に鑑賞する点で風景式庭園と通ずるものがあります。

 

ボーダーガーデンのつくり方

イングリッシュガーデン

コテージガーデンは自然であることが肝である庭です。できるだけ自然に近づけるよう、植栽は不規則に、曲線的な配置を意識しましょう。

 また、ジーキルのイングリッシュガーデンの特徴は、色使いだけでなく“田園地帯の自然と調和した伝統的な景観”であることも大切にしましょう。そこには風景だけでなく、農村の暮らし・農具など人々の暮らしの様相も含まれていたのです。今日のイングリッシュガーデンの肝は、この「人の営み」のぬくもりを感じられる事、なのかもしれませんね。

 

今回はコテージガーデンの中でもジーキルが確立した「ボーダーガーデン」のつくりかたを見ていきたいと思います。

 

◇植える植物を決める

ボーダーガーデン
引用:Pinterest

ボーダーガーデンは園路の脇などに細長くつくられることが多いため、帯状花壇と呼ばれることもあります。イングリッシュガーデンの中でも初心者につくりやすい面で人気も高いタイプです。

 前述の通り、手前は低い草花、奥は背の高い草花と、立体感・奥行きを出すのがボ-ダーガーデンの大切なポイントです。植え込む植栽は高さや幅など、その性質を知った上で選びましょう。

 ボーダーガーデン

後方に、背の高い宿根草(生育と開花を何年も繰り返す多年草)やグラス類(細長い葉をもつイネ科やカヤツリグサ科の植物)・低木など。中間にひざ丈程の宿根草やカラーリーフ(多様な葉色を楽しめる植物)・球根植物、手前にグランドカバーや季節の一年草・背の低い球根植物などを配置すると良いでしょう。

 プランターなどを利用した寄せ植えでも、高低差と奥行きを意識すれば狭いスペースでボーダーガーデンはつくることができます。

 

◇花色を揃えすぎない

イングリッシュガーデン

イングリッシュガーデンで大切なのは、「自然風景との調和」です。一色だけに偏っては自然ではありませんし、好みの植物を無計画に植えてしまうと雑多な印象になり、これもまた自然ではありません。

 色選びが難しいときは、同系色をグラデーションになるよう配置してみてください。その時、植物ごとの性質を把握し、日当たりや花が咲く季節を考慮した配置で植え込むようにしましょう。

 

◇自然素材の物を取り入れる

コテージガーデン
引用:Pinterest

イングリッシュガーデンは自然との調和が重要なため、プラスチックなど人工物を配置するのは避けましょう。

例えば、椅子・テーブルを置くのであれば木製の物を、鉢植えやバードバスはテラコッタや陶器、といった具合です。ガーデニング用品もブリキや木、ツヤのない鉄などの製品が馴染むでしょう。暮らしのぬくもりを感じられることが大切です。

 バードバス

バードバスなんて、小鳥が来た姿を想像すると可愛くて顔がゆるみますね♪

 

◇お手入れ

手入れ

イングリッシュガーデンは四季を通して楽しむ庭です。定期的に整えることがとても大切です。雑草の処理や枯れ葉・枯れ花の摘み取り、傷んでいる部分が広がらないよう気を配りましょう。

 手入れをすることで植物の健康も保たれ元気に育ち、より美しい庭になるでしょう。

 日本庭園でも言われることですが、「庭」は自然そのものではなく、“手を入れ続ける”ものです。「人力で自然を模す」と言えば伝わりやすいと思いますが、人が暮らしの中に取り入れる自然は常に手を入れ続けなければ維持ができません。ですがそれこそが、造園・ガーデニングの醍醐味となるのです。

無鄰菴
無鄰菴の庭園
引用:https://www.pinterest.jp/pin/356206651789987187/

 

イングリッシュガーデンにおすすめのエクステリア製品

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【東洋工業】

ヴィンテージウッドペイブ
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レイルスリーパー ペイブ
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ひらめき

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